高学歴フリーターの雑学日記

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人よりちょっと賢くなる、ちょっと自慢できる知識・雑学

【新型コロナ】PCR検査って結局なんなの?

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 どうも、理系女すぅさんです。

 

新型コロナウイルス、世界中で感染者増えてるよね。

WHO(世界保健機関)がパンデミックに認定したのを知り、「とうとうきたか…」と身が引き締まるわ。

 

 

そして昨日。

ソフトバンク孫正義社長が

PCR検査を無償で100万人に提供!」

とツイートしてたっぽい。2時間後には撤回されたらしいけどw

ネットニュースで批判受けまくってたのを見た人も多いのでは?

 

でもさ、

「たかが検査するくらいでそんな批判するか?

ってギモンに思わない?

 

 

私からすると、もしも孫社長の計画が実現したら…

医療業界は崩壊します。

 

私は大学〜研究者時代までの実験でゴリゴリPCRしてたから、そのリスクが予想できる。

 

 

読者のあなたにも、

時代の流れについていくためだけじゃなく、感染してしまったときに正しい判断ができるようPCR検査のことを知っておいてほしい。

 

そこで、

「そもそもPCR検査ってなに?」

「どうして問題になってるの?」

などのギモンを、中学生でも分かるようにまとめてみた。

 

この記事を読んで、迫りくるコロナの恐怖に備えよう。

 

ウイルス検査が必要なワケ 

ウイルス検査が必要な理由は大きく2つある。

 

まず、適切な治療を行うため。

そして、身近な人たちへの感染を防ぐため。

 

お医者さんが診察したとき、どんな病気にかかっているかが正しく分かれば、適切な薬を処方することができる。

 

また、もしそれが感染する病気なら、本人も周りの人たちも対策ができるよね。

 

インフルエンザにかかった時をイメージすると分かりやすいかな。

(完治するまでひきこもる!ブラック企業だろうが仕事休む!家の中で家族と話す時もマスク着用!とか。)

 

 

特に、新型コロナウイルスのような感染症の検査では、

正確性とスピードの2つが重要になってくる。

 

新型コロナウイルスは感染力が強い。

もし正確な結果が出せなければ、ただの風邪かーと油断した感染者が外を出歩き、街にウイルスをばらまいてしまうかもしれない。

検査の結果を待っている間にも、病院の待合室などで次々と感染してしまう恐れがある。

 

だから、早く・正確な検査が求められるのだ。

 

PCR検査ってなに?

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 PCR検査は、

ウイルス検出精度が高い遺伝子検査だ。

感染初期の少量のウイルスでも正確に検出することができる。

 

また、ウイルスが死んだ状態でも検出できることが特徴。

先にウイルスを殺菌してから検査できるため、検査する人の感染リスクを抑えることができる。

 

問題なのは、

検査結果が出るまで数日もかかることだ。

 

なぜこんなにも時間がかかるのか?それには、PCR検査の流れが関係している。

 

PCR検査の流れ

PCR検査の結果が出るまでに数日もかかるのはなぜか。

 

それは、

検査工程の多さ と

PCRにかかる時間の長さ の2つが原因だ。

 

実際の検査工程を見てみよう。

検査するにはまず、検体を取る必要がある。患者さんの鼻やのどを綿棒でチョイチョイするアレ。

 

そしてPCRが始まる…と思いきや、それはまだ先のこと。

 

なぜなら、病院内ではPCRを行うことができないから。

検体は取った当日or翌日に回収され、専門の検査機関に運ばれる。

 

 

病院内でPCR検査を行えないのは、

複雑な前処理専用の機械が必要だからだ。

 

この前処理が本当に細かい。(やってて気が遠くなる)

この複雑な前処理ができる技術は、看護師さんは持っていないだろう。

 

また、PCRの機械は値段が高いし、場所とるし、電力をかなり使う。

 

大学病院ならまだしも。

個人経営が大半の病院では、PCR検査ができないのは納得。

 

なので、

PCR検査は、技術者&機械を持っている&検査専門の企業や国の機関でないとできないのである。

 

さらに、

処理や測定時間を考えると、1回のPCRで3〜6時間かかる。

病院に結果を送るには、データのまとめ作業も必要だろう。

 

検体を採取して〜、翌日回収され〜、数時間のPCRにかけられ〜、データをまとめられ〜、陰性か陽性かの結果が出され〜、病院に結果が送られ〜。

いくつもの工程を経て、ようやく患者に知らされるのだ。

 

そりゃ、数日かかるわな。

 

PCR検査をスピードアップさせるには

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 「でも、孫さんが言ってたのって簡易PCR検査でしょ?

簡易版ならもっと早いんじゃないの? 」

 

と気づいたあなたはよく見ていると思う。

が、簡易PCR検査についての詳細はググっても出てこなかったので詳しくはわからん。

 

個人的な予想では、前処理や測定の方法を変えて時短をはかったのもじゃないかと。

 

それだと、測定にかかる時間を30分くらいだけ短縮できる程度。

その他の工程は変わらないんだったら、微々たる誤差だよね。

 

 

もし、これだけ時間がかかるPCR検査を100万人に実施するなら、

  • 人(技術者)
  • 物(機械)
  • 環境(検査機関)

の3つがカギをにぎる。

 

技術者の人数にも、PCR機械の数にも限りがある。

新しい技術者を育てるのにもある程度時間はかかる。PCRの機械も大量生産されているものじゃないから、製造するにも時間がかかる。

検査できる機関も決められている。

 

現時点では、すでに感染した人と濃厚接触した人たちを対象に、PCR検査が行われている。

それでも、結果が分かるまでに時間がかかり、不安な思いで隔離されている状態だ。

それに加えて100万人の検査なんて…キャパオーバーになることは目に見えている。

 

医療業界も崩壊するわ。

 

 

ちなみに、「検査できる機関は決められている」については国とか世間体の都合もある。

食品会社の研究所にもPCR機械はあるから、検査しようと思えば可能なの。

でも、食べ物を扱うところに患者の検体持ち込むのって…

世間的にアウトでしょ?

  

お金をかければ、人も物も環境も手に入れることができるかもしれない。

しかし、時間だけは買うことができない。

 

技術を身につけるにも、機械を作るにも、検査環境を用意するにも、時間が必要なんだ。

お金も権力もある人が宣言したからといって、すぐに実現できるわけではないことを理解してほしい。

 

PCRのしくみ

そういえば、PCR検査ではどうやって「あ、コロナ感染してるわ。」って分かるんだろう?

長くなるので、また別記事にします。

興味あるかたはご覧あれ〜

  

他の検査との比較

でもこの前のニュースで、

コロナを素早く検査できる方法を横浜市立大学が発見したって聞いたよ?

 

 

それは、抗原検査のことだ。

 

インフルエンザの検査でしたことがある人も多いと思う。

迅速に検査できるキットは、病院で診断するにあたり一般的に用いられている。

鼻の奥に綿棒入れて、待合室でしばらく待って、線が出たら陽性!ってやつ。

 

 

正確に言えば、コロナ用の迅速検査キットはまだ開発まで至っていない。

ニュースで発表されたのは、「必要な部品のひとつを発見したよ!」ということだ。

(それだけでも十分すごいことだと思う。)

 

 

抗原検査の特徴は、なんといっても結果が出るまでが早いことだ。

ものにもよるが、インフルの検査では所要時間15分程度。

 

しかし、この検査には大きな問題がある。

精度が低すぎるのだ。

 

抗原検査は「あくまで推定のレベル」とか「臨床的には無意味な検査」とも言われるほどだ。

なので、もし陰性の結果が出たとしても、安心はできないのである。

 

実際に私自身も、インフルエンザの抗原検査で誤診されたことが何度かある。

(陽性なのに陰性って結果出るんだもん。2回目の診断でやっと分かったのだけど、その時は病院行くのさえ しにそうワロタ状態。)

 

 

なぜそんなに精度が低いのかというと、

もともとこの検査方法が、大量のウイルスでないと反応しないからである。

 

つまり、

感染してからしばらく時間が経って、ウイルス増えて発症しちゃってる状態になってから検査しろよってこと。

(時すでに遅し感があると思う。)

 

少量のウイルスでも検出できるPCR検査に比べ、

抗原検査ではその100倍以上の量のウイルスが必要となる。

精度に関してもPCR検査の方が格段に高い。
(ま、PCRだとしても検出精度は70%くらいだけど。)

 

抗原検査についてまとめると、

早く結果が出るけど、正確性はあんまりないから、最終的にはお医者さんの判断に任せるわ☆って検査なのだ。

陰性だから大丈夫〜と思ってても、実は陽性だったということが多々あるだろう。

 

 大人数の検査が素早くできるのは ありがたいけど、正確な結果が出せないんだったら感染者増えていくんじゃない?治療スタートも遅くならない?ってギモンが残る。

 

これからのコロナ検査はどうなる?

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しばらくの間はPCR検査が主流 なのはまちがいない。

 

が、100万人もの検査を実施するのは非現実的だ。

孫社長は前言撤回して正解だったと思う。

 

PCR検査は今後も、感染者に濃厚接触した人たちを優先して行われると考えられる。

 

迅速に診断できるキットが夏頃に開発され、病院での検査はそのキットを用いた抗原検査になるだろう。

 

そして、陽性の診断をされる人が増えることでパニックが広がる。

 

今でこそ、日本の感染者は542人(2020年3月12日時点)。

だが、これは検査結果が出ている人だけの値だ。

実際のところ、診断されてないが感染してしまっている人もいるため、かなりの数になるのではないだろうか。

 

そう考えると、私たちもすでに新型コロナウイルス接触している可能性は十分にある。

 

とは言っても、

新型コロナウイルスの致死率は3.6%ほど。インフルエンザの致死率とそれほど変わらない。

この記事の読者のあなたも、この先いつかコロナにかかってしまうだろう。

しかし、それほど心配する必要はない。

感染しやすくて呼吸がちょっとツラめのインフルエンザみたいなものだから。

 

ただし、高齢者や乳幼児になると、致死率が20%ほどに跳ね上がることには注意。

  

家族や友人など、大切な人に移してしまわないためにも、引き続き予防や対策を十分に行っていきたい。

 

まとめ

PCR検査のしくみや問題点、他の検査との違いについて、ご理解いただけただろうか。

 

新型コロナウイルスの影響で、

健康面だけでなく仕事や金銭面でも不安を感じている人も多いだろう。

 

こんな時だからこそ、「正しい情報」を得ることが必要だ。

それだけでなく、得た情報を元にどんな行動をとるべきか「正しい選択」ができるようになろう。

 

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